Homebrewとは?
Homebrew(ホームブリュー)とは主にmacOSとLinuxで使われるパッケージ管理ツールで、コマンドラインで様々なアプリケーションやツールを簡単にインストール、更新、削除ができます。
アプリケーションやツールをインストールする際に必要なライブラリやツールをまとめてパッケージとしてインストールしてくれるので、開発環境の構築や、依存関係が複雑になりやすいCLIツールの管理がとても楽になります。
インストール方法
Homebrewの公式サイトに入ってすぐのところにインストールコマンドが記載されています。こちらをコピーしたら「ターミナル」アプリを開き、ペーストして実行します。
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
パスを通す
インストールが完了したら、以下のようなコメントが記載されると思います。
Warning: /opt/homebrew/bin is not in your PATH.
Instructions on how to configure your shell for Homebrew
can be found in the 'Next steps' section below.
==> Installation successful!
簡単に説明すると、「インストールは完了しましたが、まだ使えない状態です。次のステップに進んでパスを通してください。」とのことです。
読み進めるとに以下のように次のステップが記載されているので、ターミナルの指示に従って適宜コマンドを実行しましょう。
==> Next steps:
- Run these two commands in your terminal to add Homebrew to your PATH:
(echo; echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"') >> /Users/trt/.zprofile
eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"
- Run brew help to get started
- Further documentation:
https://docs.brew.sh
具体的にはyour PATH: の下の以下の2行を順番に実行します。
※環境によって異なるのでご自身のターミナルに従ってください。
(echo; echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"') >> /Users/trt/.zprofile
eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"
上記の例ではユーザーのホームディレクトリの.zprofileというファイルにパスを通す設定を書き込んでいます。
「パスを通す」とは?
新たにコマンドをインストールした際などに、シェルにそのコマンドのありかを教える作業のこと。
.zprofileとは?
zshシェルを使う際の設定ファイルの一種です。zshシェルはログインシェル起動時にこのファイルを読み込んで、環境変数やコマンドまでのパスを認識しています。
以上の設定でインストールが完了し、Homebrewのコマンドであるbrewコマンドが使える環境になりました。
基本的な使い方
インストールが完了したら、まずは以下のコマンドを実行してみましょう。
brew help
するとbrewコマンドの基本的な使い方などが表示されます。
コマンドを忘れてしまった時などに見返せるので、まずは上記のコマンドだけでも覚えとくと良いでしょう。
パッケージのインストール
パッケージのインストールにはbrew installコマンドを使います。
試しにtreeというディレクトリをツリー構造で表示するツールをインストールしてみましょう。
brew install tree
インストールが完了したら早速コマンドを実行してみましょう。
tree -L 1
ユーザーのホームディレクトリ配下の一階層目のディレクトリが一覧で表示されたら正常にインストールされています。
TIPS
HomebrewはパッケージのインストールにXcodeを内部で使用しています。インストールをスムーズに行うためにもXcodeのバージョンをなるべく新しいものにしておくと良いでしょう。
Homebrewでインストール可能なパッケージ一覧
インストール済みパッケージの確認
次にインストールしたパッケージを一覧で表示してみましょう。
以下のコマンドを実行してみてください。
brew list
先ほどインストールしたtreeが表示されているはずです。
brew listではパッケージ表示一覧の==> Formulae の下にCUIソフト、==> Casks の下にGUIアプリケーションが表示されます。GUIアプリケーションのインストールに関しては後述します。
パッケージのアンインストール
今度は先ほどインストールしたtreeをアンインストールしてみましょう。
以下のコマンドを実行でインストール済みのパッケージをアンインストールすることができます。
brew uninstall tree
アンインストールが完了したら、上記のbrew list をもう一度実行してみると、先ほど表示されていたtreeが消えているはずです。
GUIアプリのインストール
HomebrewはもともとCUI、つまりターミナルなどのコマンドラインで使うソフトを管理するものでしたが、最近ではcaskという拡張機能を使ってGUIソフト(Google ChromeやZoomなどのデスクトップ上の扱うアプリケーション)の管理もできるようになっています。
通常の方法でデスクトップ上でアプリをインストールする際にはいくつかの手順を踏まなければなりませんが、こちらを使用すればコマンド一発でインストール可能な上、CUIツールと一緒にHomebrewを通して一元管理ができます。
特にパソコンを買い替えた場合などに、スムーズに元の環境を作ることができるでしょう。
パッケージ名の前に–caskオプションをつけることでインストール可能です。
brew install --cask firefox
※現在公式サイト上では上記のように–caskオプションをパッケージ名の前につける記法で書かれていますが、実際にはオプションなしでも通常のインストールコマンドのみでインストールできるようです。
公式サイトにインストール可能なGUIアプリの一覧が載っています。
まとめ
今回はHomebrewのインストールから基本的な使い方をご紹介しました。Macでプログラミングをする際に、とても重要ツールになりますので、是非ともこの機会にインストールしてみてください。